採用前:準備・計画段階の質問


在留資格(ビザ)の種類について

Q1. どのような種類のビザがありますか?
A. 日本で外国人が働くための主な在留資格(ビザ)には、「技術・人文知識・国際業務」「特定技能」「技能実習」などがあります。それぞれのビザで働ける職種や要件が異なります。

Q2. 特定技能ビザとは何ですか?
A. 深刻な人手不足にある特定の産業分野で、即戦力として働く外国人のための在留資格です。専門技能試験に合格した人が対象となります。
🔗 出入国在留管理庁「特定技能制度について」

Q3. 特定技能ビザの対象となる職種を教えてください。
A. 介護、ビルクリーニング、建設、造船・舶用工業、自動車整備、航空、宿泊、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業など、合計12分野14業種が対象となります。
🔗 厚生労働省「特定技能制度について」

Q4. 技能実習ビザとは何ですか?
A. 日本で習得した技能を母国に持ち帰り、経済発展に役立てることを目的とした制度です。
🔗 外国人技能実習機構(OTIT)

Q5. 「技術・人文知識・国際業務」ビザとは何ですか?
A. 大学等で習得した専門知識や技術を活かし、通訳、IT技術者などの職種で働くための在留資格です。
🔗 出入国在留管理庁「在留資格『技術・人文知識・国際業務』」

Q6. どのビザで採用するのが自社に合っているか、どう判断すればいいですか?
A. 「どのような仕事内容か」「どのようなスキルを求めるか」を明確にすることが重要です。職務内容が専門的であれば「技術・人文知識・国際業務」、人手不足分野の単純作業であれば「特定技能」を検討します。

Q7. 留学生を採用する際の注意点はありますか?
A. 留学生は「資格外活動許可」を得なければ原則働くことはできません。卒業後も日本で働く場合は、就労ビザへの切り替えが必要です。
🔗 出入国在留管理庁「資格外活動の許可について」

Q8. 留学生はアルバイトできますか?
A. はい、資格外活動許可を得ればアルバイトが可能です。ただし、週28時間以内、長期休暇中は1日8時間以内という時間制限があります。

Q9. 留学生の就労時間には制限がありますか?
A. アルバイトは週28時間以内です。正社員として働く場合は就労ビザへの変更が必要となり、就労時間の制限はなくなります。

採用ターゲットと人材探しの質問

Q10. どの国の人材をターゲットにすればいいですか?
A. 日本のビザ制度と協定を結んでいる国(ベトナム、中国、ミャンマーなど)からの人材が多いです。
🔗 厚生労働省「『外国人雇用状況』の届出状況まとめ」

Q11. 採用活動は、日本語能力が必須ですか?
A. 必須ではありません。職種によっては、母国語でのコミュニケーション能力や専門スキルが優先されます。
🔗 厚生労働省「外国人の雇用」

Q12. 日本語能力を測るための目安はありますか?
A. 日本語能力試験(JLPT)が広く使われています。N1が最も高く、N5が最も低いレベルです。
🔗 日本語能力試験(JLPT)

Q13. 外国人採用に強い人材紹介会社をどう探せばいいですか?
A. 特定の国籍や職種に特化している人材紹介会社も多いため、複数の会社に相談して比較検討することをおすすめします。

Q14. ハローワークで外国人材を探すことはできますか?
A. はい、可能です。ハローワークには「外国人雇用サービスセンター」があり、専門の相談員がサポートしてくれます。
🔗 厚生労働省「外国人雇用サービスセンターのご案内」

Q15. 自社ホームページでの求人掲載は有効ですか?
A. はい、有効です。多言語で募集要項を掲載することで、直接外国人材にアプローチできます。外国人向け求人サイトと連携するのも良い方法です。

登録支援機関の探し方について

Q16. 登録支援機関とは何ですか?
A. 特定技能外国人の支援計画を作成し、実施する機関です。
🔗 出入国在留管理庁「登録支援機関について」

Q17. 登録支援機関はどのように探せばいいですか?
A. 出入国在留管理庁のウェブサイトに、登録された支援機関の一覧が掲載されています。
🔗 出入国在留管理庁「登録支援機関登録簿」


採用時:選考・手続き段階の質問


面接・選考時の質問

Q18. 面接で聞いてはいけない質問はありますか?
A. 人種、信条、社会的身分、性別など、応募者の適性や能力とは関係のない質問は推奨されません。
🔗 厚生労働省「公正な採用選考の基本」

Q19. 面接は日本語で行うべきですか?
A. 職種によりますが、日本語能力が必須でない職種では、母国語で対応できる通訳を介して面接を行うことも有効です。

Q20. オンライン面接は可能ですか?
A. はい、可能です。特に海外在住の人材を採用する場合、オンライン面接は必須となります。

Q21. 外国人材は履歴書や職務経歴書をどう書きますか?
A. 日本の履歴書形式に準じて日本語で作成するのが一般的です。海外の職務経歴書(レジュメ)も併せて提出してもらうと、より理解が深まります。

Q22. 面接時に注意すべき文化の違いはありますか?
A. あります。目を見て話すことが失礼にあたる文化や、謙遜の文化が強い国もあります。相手の文化を尊重し、柔軟な姿勢で臨むことが大切です。

労働条件・法律に関する質問

Q23. 日本人社員と同じ給与・待遇で雇用しなければなりませんか?
A. はい、同一労働同一賃金の原則に基づき、国籍を理由として賃金や待遇を低く設定することはできません。
🔗 厚生労働省「同一労働同一賃金特集ページ」

Q24. 最低賃金は外国人にも適用されますか?
A. はい、適用されます。国籍に関係なく、日本の労働基準法が適用されます。

Q25. どのような労働条件を明示する必要がありますか?
A. 労働時間、賃金、休日、有給休暇、退職に関する事項などを、明確に記載した労働条件通知書を交付する必要があります。
🔗 厚生労働省「労働条件通知書の記載事項」

Q26. 外国人材との雇用契約書は日本語で作成しますか?
A. 基本的には日本語で作成しますが、外国人が内容を理解できるように、母国語訳を併記することが推奨されます。

Q27. 雇用保険や社会保険への加入は必須ですか?
A. はい、一定の条件を満たせば、日本人と同様に加入が義務付けられています。
🔗 厚生労働省「外国人労働者の雇用・労働Q&A」

雇用手続き・在留資格の申請に関する質問

Q28. 雇用する際に必要な書類は何ですか?
A. パスポート、在留カード、在留資格証明書、雇用契約書、労働条件通知書、履歴書などが必要です。

Q29. 在留資格の申請手続きは誰が行いますか?
A. 申請は、外国人が本人の名義で行うのが原則ですが、企業が代理で申請することも可能です。

Q30. 在留資格の申請にかかる期間はどのくらいですか?
A. 在留資格の種類や申請時期によって異なりますが、通常は数週間から数ヶ月程度かかります。
🔗 出入国在留管理庁「在留資格認定証明書交付申請」

Q31. 申請費用はどのくらいかかりますか?
A. 申請費用は在留資格によって異なりますが、数万円から十数万円程度です。

Q32. 行政書士に依頼するメリットはありますか?
A. あります。手続きが複雑なため、専門家である行政書士に依頼することで、書類の不備による申請の遅延を防ぎ、スムーズに手続きを進めることができます。


採用後:雇用・育成段階の質問


労働環境・生活支援に関する質問

Q33. 入社後のサポートは何をすればいいですか?
A. 日本での生活に不慣れな場合、銀行口座の開設、携帯電話の契約、住民登録などの手続きをサポートすることが望ましいです。

Q34. 日本での生活に不慣れな外国人材への支援は必要ですか?
A. はい、必要です。生活支援は、外国人材の定着率向上に大きく貢献します。

Q35. 住宅はどう手配すればいいですか?
A. 企業が用意するか、不動産会社と提携して物件を紹介する方法があります。外国人には借りられない物件も多いため、サポートは重要です。

Q36. 銀行口座の開設や携帯電話の契約はサポートすべきですか?
A. 強く推奨します。言葉の壁や手続きの複雑さから、個人で完了させるのは非常に困難な場合があります。

Q37. 日本の文化や習慣を教える必要はありますか?
A. はい、重要です。ゴミの分別方法や職場のマナーなど、日本の生活や仕事の文化を伝えることで、外国人材の生活の質が向上し、職場でのトラブルを未然に防ぐことができます。

職場のコミュニケーション・教育について

Q38. 言葉の壁を乗り越えるにはどうすればいいですか?
A. 職場内に多言語対応のツールを導入したり、簡単な日本語やイラストを交えて説明したり、外国人社員向けの日本語研修を実施するなどの対策があります。

Q39. 外国人社員への研修プログラムは必要ですか?
A. はい、必要です。業務に必要なスキルだけでなく、日本のビジネスマナーや報連相(報告・連絡・相談)の文化を教えることが、スムーズな業務遂行につながります。

Q40. 職場のハラスメント対策は、外国人社員にも適用されますか?
A. はい、適用されます。国籍や文化を理由とする差別やハラスメントは許されません。
🔗 厚生労働省「職場におけるハラスメントの防止のために」

Q41. 母国の文化を尊重するために、どのような配慮が必要ですか?
A. 宗教上の理由による食事制限や、特定の休日の取得など、事前に確認し、できる範囲で配慮することが大切です。

Q42. 外国人社員が相談できる窓口を設けるべきですか?
A. はい、設けるべきです。言葉の壁や文化の違いから孤立しやすいため、気軽に相談できる窓口があることで、定着率が高まります。

法律遵守・退職に関する質問

Q43. 外国人材を解雇する際の注意点はありますか?
A. 日本人と同じく、客観的で合理的な理由がなければ解雇は認められません。また、解雇予告や退職手続きも日本人と同様に行う必要があります。

Q44. 外国人材が転職を希望した場合、どう対応すべきですか?
A. 転職は認められていますが、在留資格の要件を満たす必要があります。転職先の企業と連携し、手続きをスムーズに進められるようサポートすることが望ましいです。

Q45. 雇用期間が満了した場合、どう手続きすればいいですか?
A. 雇用期間が満了すれば、雇用関係は終了します。外国人材が日本に残留する場合は、新たな在留資格の申請が必要です。

Q46. 在留資格の更新手続きはいつ頃から始めればいいですか?
A. 在留期間満了日の約3ヶ月前から申請が可能です。早めに準備を始めることをお勧めします。

Q47. 外国人材が離職した場合、届出は必要ですか?
A. はい、必要です。退職後14日以内に、会社所在地を管轄するハローワークへ「外国人雇用状況届出書」を提出する必要があります。
🔗 厚生労働省「外国人雇用状況の届出」


その他の質問


Q48. 外国人雇用に関する助成金や補助金はありますか?
A. はい、あります。特定の条件を満たすことで、助成金や補助金を受けられる場合があります。
🔗 厚生労働省「通年雇用助成金」

Q49. 外国人採用のメリットとデメリットを教えてください。
A. メリット:人手不足の解消、多様な視点やスキル、海外市場への進出基盤の構築など。
  デメリット:言語や文化の壁、在留資格の手続き、初期教育のコストなどです。

Q50. 外国人雇用に関する情報収集はどこで行えばいいですか?
A. 公的な情報源(厚生労働省、出入国在留管理庁)や、専門のメディア、外国人雇用に特化したセミナーや相談会などが有効です。
🔗 厚生労働省「外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針」