日本で働く特定技能外国人の数は増加の一途をたどっており、彼らが日本での生活をスムーズに始める上で、銀行口座の開設は不可欠な手続きです。しかし、近年、金融業界全体でマネーロンダリング(資金洗浄)対策が強化されており、外国人材の口座開設審査は以前にも増して厳しくなっています。
国際的なテロ資金供与対策など、国際社会からの要請に応える形で、日本の金融機関は、口座開設者の本人確認や取引目的を厳格にチェックするようになりました。これにより、「在留期間が短い」「就労状況の確認が不十分」といった理由で、口座開設を断られるケースも少なくありません。
そうした背景の中、多くの特定技能外国人や受け入れ企業から「開設しやすい」と声が上がるのが、ゆうちょ銀行です。ここでは、なぜゆうちょ銀行が外国人材にとって有利な選択肢となるのか、その主な理由を詳しく解説します。
柔軟な対応と豊富な実績
ゆうちょ銀行は、日本全国の郵便局ネットワークを通じて、長年にわたり外国人材の口座開設を受け付けてきた豊富な実績があります。他の大手銀行と比較して、外国人向けの対応マニュアルが整備されており、審査や手続きにおいてより柔軟な姿勢を見せることが多いとされています。これにより、特に地方に住む外国人材が、都市銀行の支店が少ない地域でも、安心して手続きを進められるというメリットがあります。
必要書類がシンプル
口座開設に求められる書類が比較的シンプルであることも、大きな利点です。多くの銀行が雇用契約書や住民票など、より多くの書類を求める中で、ゆうちょ銀行での口座開設は、通常在留カードとパスポートの2点があれば申請が可能です。これにより、事前の書類準備にかかる手間が大幅に削減され、スムーズに手続きを進めることができます。
全国どこでも手続き可能
ゆうちょ銀行は、全国にある約24,000の郵便局で口座開設の手続きができます。これは、地方都市や過疎地域で働く特定技能外国人にとっても非常に便利です。都市部に限らず、住まいの近くで手続きを完結させられるため、移動の手間や費用を節約できます。郵便局の窓口は、日常的に利用する機会も多いため、外国人材にとってもなじみやすい場所であると言えます。
多言語対応のサポート体制
日本語に不安がある外国人材にとって、手続き時のコミュニケーションは大きな障壁となりがちです。ゆうちょ銀行では、外国語で書かれたパンフレットや案内資料が用意されており、言語の壁を越えて手続きを進めるためのサポート体制が整っています。これにより、言葉の不安から手続きをためらっていた方でも、安心して口座開設に臨むことができます。
スムーズな口座開設のための注意点
ゆうちょ銀行は開設しやすいとはいえ、スムーズな手続きのためには事前の準備が重要です。在留カードの有効期限が6ヶ月以上残っていることを確認し、マイナンバー通知カードなども手元に用意しておくと、より確実です。また、口座開設時に「就労目的」を明確に伝えられるようにしておきましょう。
外国人雇用新聞では、今後も外国人材の日本での生活をサポートするための有益な情報を発信していきます。