【解説】なぜ今「厳格化」なのか──高市政権が進める外国人政策の本質

高市早苗首相

高市早苗政権は、外国人政策の方向性を大きく見直し、「厳格化」を軸とした改革を進めています。背景には、少子高齢化による労働力不足という構造的な課題がある一方で、外国人の受け入れに対する国民の不安・不公平感が強まっているという現実があります。

高市首相自身も、選挙中から「遵法精神を重視した移民政策」を訴えており、「秩序ある共生」を政策の基本理念に据えています。

政府は2026年1月、関係閣僚会議でこうした方針を確認し、在留管理や生活支援制度の見直しなどを含む総合的な政策パッケージを決定しました。


政策見直しの背景:何が国民の不安を生んでいるのか

従来、日本政府は人手不足に対応するため在留外国人の受け入れ拡大を進めてきました。しかし、現場では以下のような声が出ています。

  • 一部の外国人によるルール違反が地域の摩擦を招いている
  • 税・社会保険料の未納や医療費未払いなどが「不公平感」を生む

こうした問題を放置すると、日本人と外国人との間に不信感が生まれ、共生社会の基盤が揺らぐという判断が政策変更の契機になっています。政府が公的統計を基に「秩序ある共生」を掲げている理由もここにあります。


何が変わるのか──3つの主要ポイント

2026年1月に示された政策パッケージの中核は、次の3点です。

  1. 生活保護支給の見直し
    生活保護は日本国憲法の理念に基づく制度ですが、外国人への支給範囲を見直し、公平性を保つ方向で検討が進んでいます。
    これは「原則として日本に生活基盤を持つ人を対象とする」という考え方に立つものです。
  2. 永住・帰化制度の再検討
    永住・帰化の取得条件については、現在の居住年数要件の見直しや、申請過程での勤労・納税実績の重視が議論されています。
    一部の報道では、帰化申請の審査がこれまでより厳格化される可能性も指摘されています。
  3. 在留管理の徹底
    社会保険料・税の未納、在留資格の不正利用や違反行為を把握して、更新や変更の際の審査に反映させる方針です。
    未納がある場合は、在留資格更新が認められない可能性を政府側も示しています。

これらは単に規制強化を目的とするものではなく、「ルールを守る人とそうでない人との区別を明確にする」ことを目的としています。


雇用側と支援機関への影響

今回の方針転換は、企業や支援機関にも重要な意味を持ちます。

  • メリット
    ルールに従い勤勉に働く外国人が、違反者と一緒くたに評価されることが少なくなります。
  • 企業の役割の変化
    単に労働力として雇用するだけでなく、外国人従業員が日本の制度・文化・ルールを理解し遵守できるよう支援することが求められます。
    たとえば、社会保険制度や税金の仕組み、日本語能力向上などに関する教育・サポートが不可欠になります。


政策の評価と課題

今回の政策は、「秩序ある共生」を標榜する一方で慎重な運用が求められる面もあります。

専門家からは、「永住者は日本で生活基盤を築いている人々であり、法的な安定性が重要である」との指摘があり、永住資格や帰化の厳格化には慎重な対応が必要であるという意見も出ています。

また、社会保険料の支払い状況や未払い医療費の問題は、制度全体の持続可能性の観点からも議論されていますが、支払い困難な人への支援策も合わせて検討する必要があります。


■ まとめ:秩序ある共生とこれからの日本社会

高市政権が進める外国人政策は、「無計画な共生」から秩序とルールの明確化による共生社会への転換を狙いとしています。
一見すると厳しい変更と受け取られがちですが、ルールを守るすべての人にとって暮らしやすい社会を実現するという意図が背景にあります。

この動きは外国人本人にとっても、企業や支援機関にとっても、事前準備と理解が不可欠です。政策の方向性と現実の落とし穴を正確に把握し、適切に対応していくことが求められています。