外国人労働者の受け入れが日本社会を支える存在となる一方で、不法就労をめぐる問題は依然として根強い。外国人本人が在留資格で認められていない仕事に従事すれば不法就労罪に問われ得るだけでなく、それを知りながら、あるいは知り得たにもかかわらず放置した雇用主や監理団体、登録支援機関も不法就労助長罪の責任を問われる可能性がある。制度理解の不足や管理の甘さが、重大な法的リスクにつながることを改めて認識すべきだ。
在留資格は単なる就労許可ではなく、従事できる業務内容や範囲が厳格に定められている。本人に能力や意欲があっても、資格外の仕事をさせることはできない。人手不足や繁忙期を理由に業務範囲を拡大することは、本人を違法状態に追い込み、受け入れ側も処罰の対象とする。外国人社員には、在留資格の範囲内でしか働けないという原則を徹底して理解させる必要がある。
加えて、雇用主の把握しないところで、本人が独自にアルバイトなどの副業を行ってしまうケースにも注意が必要だ。本人に悪意がなくとも、資格上認められていない就労であれば不法就労に該当し得る。こうした行為は、本人の在留継続に深刻な影響を与えるだけでなく、管理体制の不十分さが問われ、結果として雇用主側の責任に発展する可能性もある。
だからこそ、入社時の対応が重要となる。就労可能な業務範囲や兼業の可否を明確に提示し、それに違反した場合には厳正なペナルティがあることを、本人が理解できる形で説明する必要がある。口頭説明にとどめず、書面や母国語での説明を用い、本人の署名をもって確認するなど、実効性ある方法での周知が求められる。
不法就労が疑われる事態が生じた場合も、放置は許されない。事実関係を速やかに確認し、資格外の業務があれば直ちに停止する。判断が難しい場合には専門家や関係機関に相談し、必要に応じて入管当局への報告も検討すべきだ。不法就労を「知らなかった」で済ませない姿勢こそが、外国人本人を守り、企業や支援機関への信頼を支える。共生社会を掲げる以上、その責任を正面から引き受ける覚悟が問われている。










