外国人雇用に携わる監理団体および登録支援機関に対し、出入国在留管理庁より、2025年7月8日付で技能実習生から特定技能外国人への在留資格変更申請に関する重要な注意喚起が発せられました。現場では、申請手続きの遅延に起因する稼働空白期間が発生し、実習生の生活基盤を脅かす事例が頻発していることが明らかになりました。

在留資格移行における喫緊の課題

出入国在留管理庁の発表によると、技能実習生が「特定技能」への在留資格変更許可を申請した後、許可が下りるまでの間に稼働できない期間が生じ、結果として、収入の途絶により実習生が経済的に困窮するケースが後を絶ちません。この問題の根底には、以下の二点が深く関与しています。

1. 実習計画終了後の稼働制限: 技能実習生は、在留資格変更申請中であっても、現行の技能実習計画が修了した時点をもって、技能実習生としての稼働が認められなくなります。この法的制約が、移行期間中の稼働空白を生む主要因となっています。
2. 長期化する審査プロセス: 在留資格変更許可申請の審査には、一般的に1か月から2か月程度の期間を要します。加えて、申請が集中する繁忙期においては、この期間がさらに延長される傾向にあります。この審査期間の予測と対応が、現場における大きな課題となっています。
   
   

円滑な在留資格移行を実現するための指針

外国人材の安定的な確保と、日本での生活支援を両立させるためには、監理団体および登録支援機関の皆様による、より戦略的かつ計画的な対応が不可欠です。以下に、そのための具体的な方策を提言いたします。

• 就労開始予定日の2か月前申請の徹底: 特定技能外国人としての就労開始予定日から逆算し、最低でも2か月以上前には在留資格変更許可申請を完了させるよう、技能実習生への指導を徹底してください。これにより、審査期間中の稼働空白期間の発生を極力回避することが可能となります。
• 実習生の生活基盤への配慮: 申請から許可までの期間における一時的な稼働停止を想定し、その間の実習生の生活費や居住に関する支援策を事前に講じるなど、生活基盤の安定化に向けた実効性のある対策を推進することが求められます。

この度の出入国在留管理庁からの注意喚起は、外国人雇用に関わる全てのステークホルダーに対し、改めて制度理解と適切な運用体制の構築を促すものです。特定技能制度の健全な発展と、外国人材が安心して日本で活躍できる環境整備のため、貴社の積極的なご対応を切に願うものであります。

詳細な手続き要件および最新情報は、出入国在留管理庁の公式ウェブサイトにてご確認いただけます。

• 特定技能制度に関する出入国在留管理庁の更新情報
• 「特定技能」への在留資格変更許可申請を希望される方へ