深刻な人手不足に対応するため、特定技能制度は中小企業の現場を支える外国人の受け入れを後押ししてきた。しかし、その制度運用の根幹にある「支援」を誰が担うのか。この問いに対する答えとして位置づけられているのが、登録支援機関である。企業が担うべき支援の全部または一部を外部に委託できる仕組みだ。
支援の義務範囲は広く、住居確保や入国時送迎、生活オリエンテーション、相談対応、定期面談に至るまで多岐にわたる。しかも費用は原則として企業側が負担する必要がある。この負担を自力で賄えない企業が委託に流れるのは当然の帰結だが、急速に拡大した支援市場が招く質のばらつきには警鐘を鳴らすべきだ。
制度は支援を「企業の自己責任」に委ねつつ、「委託先の適正性」も企業判断に委ねている。だが、支援機関の力量を、地方の中小企業が見抜くことは容易ではない。中には技能実習制度で問題視された仲介業者を思わせる、不透明な費用徴収や不適切な関与を行う例も報告され始めている。
運用要領は、保証金徴収や違約金契約を明確に禁じている。しかし、その監視は制度開始から数年を経ても、十分とは言い難い。支援の実施を再委託することは禁止されているにもかかわらず、実態は細かく把握されていない。
自治体の共生施策を踏まえた支援を求める規定もあるが、地方には外国人支援の専門人材が不足している。制度上、支援の実効性は担い手の倫理と能力に依存しているのだ。
問題は、支援の質が外国人の権利保護と生活基盤を左右するという厳然たる現実である。外国人が相談できず、転職支援が機能しなければ、労働者保護の理念は形骸化する。
制度は改善を重ねてきた。しかし、支援市場の健全な発展には、登録支援機関の評価制度と指導監督の強化が不可欠だ。国は企業任せではなく、情報公開や認証制度を通じ、信頼できる支援機関の選別を促す仕組みを早急に整えるべきである。
外国人は「労働力」ではなく「生活者」である。その支援を担う者の力量と倫理なくして、持続可能な共生社会は望めない。制度の隙間に生まれた新たなリスクを直視し、政策の信頼を守らなければならない。










